米が脇役に徹しない国に行ってきた
長らく更新していなかったこのブログですが、9/14~21までカンボジアに行ってきたのでそのことくらい書こうと思いました。
「ライス!」
カンボジアで最初に訪れたのがプノンペン。とりあえずタクシーを空港で拾い、ホテルまで向かう途中。タクシーの運転手に「カンボジアで一番美味しいものは?」と聞いたときの回答が「ライス!」だった。威勢良く回答された。3人全員で拍子抜けした。
きっとカンボジアに行ったら日本じゃとても味わえないスパイシーなものとか、酸っぱいものとか、辛いものとか、そういう奇想天外摩訶不思議な美味が味わえるもんだと期待していたのに。それにスイスに住んでいた3年間、ジャスミンライスとかいわゆるインディカ米は日本米よりもポピュラーで何度も口にしていたから、その味は知っていたつもりだった。
別に米とか、日本米美味しいし!米かよ!と思ったし、なんだかちょっとがっかりした。
そんなこんなで「えええ、米か……米が一番か……」と地味なショックを受けつつホテルに到着したのは夜の9時頃。旅の仲間は後輩の女の子、私、日本から出たことがない27歳男性。
…………。
なんだか色々心配かつ怖くなってしまったので、ホテルの近くかつ安全そうなところを探すことに。
いつひったくりに遭うかわからないぞ!!という気概で私は財布を鞄に、1女は胸の谷間に隠しながら人気のない大通り沿いをてくてく歩いた。
そこら中の舗装がはげ、街路樹の植え込みはゴミ捨て場に、警察官はハンモックで仮眠中。これが最もスリのカモになりやすい行為と知りながらも一眼で写真を撮る手が止まらない。変なメンバーで変なテンションになりながら明かりのある方向へ。
カンボジアで最初に入ったのは、ヨーロッパ系のお客さんがバーカウンターで一杯やっているようなピザレストラン。(安全そうだから)
立てられた白い布ナプキンと銀食器のテーブルセットを見るにカンボジアでは高級な部類に入るのだろうけど、30センチほどのピザが一枚5$〜と店の雰囲気と比べたら破格だった。ビール一缶0.5$の国の恩恵を感じた。
ちなみにとてもおいしかった。
翌朝はトゥクトゥクでプノンペンの街へと繰り出した。個人的に絶大の信頼を置いている「地球の歩き方」掲載の地元民に愛されるスイーツショップやら、
(寒天ゼリー、カボチャプリン、おしるこのココナッツミルクバージョンなど、氷と一緒に提供される。クイティウ(フォーのようなもの)などの軽食もあり。怖かったけどおいしい!)
ホテルの隣りの都会的なノマドカフェやら、
(カンボジアはフルーツスムージーが有名なのでパッションフルーツスムージーを頼みました。wifi完備。)
せっかくだから、と「地球の歩き方」掲載のちょっと高級なカンボジアレストランやら
(圧倒的リゾート感)
(圧倒的リゾート感)
写真中央に鎮座しているのが淡水魚の香草煮込み。カンボジアの味といえばレモングラスとナンプラー、淡水魚特有の風味になるのかなあと思う。他にも甘酸っぱい雷魚のスープや、ナマズカレーなど日本だと口にしない魚が食せる。良いレストランだと臭みはほとんどない。
オイスターソースで牛肉を炒めた料理もポピュラーで、美味。
ちょっとチャレンジしたくなったけど勇気が出ないので、美味しいことがわかっているカエルの揚げ物とボックロホン(青パパイヤのサラダ、タイのソムタムのようだがパクチーではなくカントロップという香菜が使われる)を注文。
と、写真でもわかるようにこの夜はめちゃめちゃ食べた上美味しいカクテル、ビールも飲んで一人3000円。
安い…………。
しかし一つ問題なのが、カンボジア料理は総じて塩辛いということ。
甘いし酸っぱいけど塩辛い。うまみのある魚醤の辛さ。いやでも塩辛い。味濃いよ〜〜と思う。
その総じて塩辛いカンボジア料理をどうやって何品も食べたかというと
ララララ
ライス!!!!!!
これがまた、一生のうちに食べたお米の中で一番レベルにおいしいお米だった。本当にカンボジアの他の料理を凌駕してしまうほどに米がおいしい。あれだけ期待してなかったのに。
何が美味しいかというと、ぜんぶ、というか調和、というか……これは好きな人の好きなところをうまく箇条書きにして挙げられない感覚に似ているのでは……。
いわゆる香り米だった。でもジャスミンライスじゃない……でも最高級とされるジャスミンライスよりも美味しい……。
日本のエスニック料理屋さんでは体験したことのない芳香、
そしてその次にくるインディカ種特有の粘つきの少ないほろほろとした感触、甘み。
ああ、日本のどこで買えるんだろう、カンボジアの米……切実に……!!
米が好きじゃない同行者も美味しい美味しいと食べていたのでカンボジアの米は本当に美味しいらしい。
がっかりしたりしてごめんなさいタクシーの運転手さん……
この後シアヌークビルに足を伸ばしたりとカンボジアの旅はまだ続いたけれど、どこにいってもひたすら米がおいしかった。
というわけで、カンボジアで一番美味しいもの
それは
「ライス!!」
ででん。
楽しかったなあ、カンボジア。
(ちなみにシアヌークビルには美味しい尾道ラーメンが食べられる日本食レストランがあります。本当に日本のラーメンでしかない……。)